特別栽培米を買おうと思って調べていませんか?
そして、そのお米はなんだか無農薬っぽい。
しかしよく読んでみると、節減対象農薬:栽培期間中不使用と書いてある。
節減対象農薬って、いったいなんだ?
栽培期間中不使用だから無農薬ってことじゃないの?
私もそんな疑問を持ち調べました。
節減対象農薬ってなんだ?
この聞きなれない言葉、節減対象農薬を調べてみました。
すっごく簡単に言うと、大半の化学合成農薬のことです。
化学合成農薬とは人工的に合成した農薬のことですね。
しかしこれでは大雑把すぎるので、もう少し詳しく見ていきましょう。
まず農薬を3つのグループに分けます。
B:有機JASで使用が認められている農薬
C:特定農薬
このうち「A:節減対象農薬」は範囲が広すぎるので、他のグループから見ていきましょう。
B:有機JASで使用が認められている農薬
実は有機JAS規格では、一部の農薬の使用が認められています。
そしてなんと「B:有機JASで使用が認められている農薬」は、特別栽培米でも使っていいんですね。
ここがミソです。
有機JASで使用が認められている農薬とは、
- 天然成分の由来で環境への影響が少ないもの
- 微生物を利用して害虫や病原菌を退治するもの
- フェロモンを利用して害虫を駆除するもの
だからまぁいいよね?というのが建前に見えます。
ですのでこれらは節減対象農薬には含まれていません。
※有機JASで使用が認められている農薬の一覧は、以下のサイトがお薦めです。
グリーンジャパン -「有機」表示のできる農薬
C:特定農薬
特定農薬には、地場の天敵、食酢、重曹が含まれます。
例えば天敵にはナナホシテントウとか指定されています。アブラムシを捕食してくれますからね。
天敵、食酢、重曹がいくら田んぼに入っていても構いませんよね(^_^;)
ですのでこれらは節減対象農薬には含まれていません。
A:節減対象農薬
つまり節減対象農薬とは、B:有機JASで使用が認められている農薬以外の化学合成農薬と言えます。
上記をまとめた表がありますので、貼っておきます。
出典:農林水産省HP
栽培期間中不使用ってなんだ?
栽培期間中というのは、前作の収穫後〜今期の収穫後の調製期までを言います。
それと苗の育成期間も入るようです。
栽培期間中不使用という、周りくどい言い方には理由があります。
例えば前年に田んぼで農薬を使っていた場合、残留農薬が残っている可能性があります。
無農薬って言い切ってしまうと残留農薬もないと誤解します。なので農水省のガイドラインでは禁止されています。
言い換えれば、残留農薬はあるかないか分からないけど、栽培期間中は使ってないよって事なんですね。
栽培期間中不使用と聞くと、じゃぁ栽培期間以外では農薬使ってるの?と、ふつう思いますよね。
調べた感じ、実際そういう事はあるようです。
極端な例で言えば、前年に大量の農薬をまいて化学肥料を入れて、田んぼの準備をしておきます。
そしてそこに今年は苗を植えて農薬を使わなければ、栽培期間中不使用なんですね。
いつもながら穴だらけのルールですね。
で結局、節減対象農薬:栽培期間中不使用って無農薬なの?
節減対象農薬:栽培期間中不使用
とは、私達がイメージする無農薬とは異なっている可能性があります。
それらをどう見極めるかといえば、生産者が自己開示している情報で判断するしかありません。
ちなみに、栽培期間中に一切農薬を使っていない場合は、農薬:栽培期間中不使用と表示ができるようです。
しかしこれは特定農薬なども使わないので、かなり厳しい条件なのではないでしょうか。
また前年度に農薬を使っていたかどうかは、分からないです。
そして特別栽培農産物のガイドラインに違反していたとしても、ガイドラインなので罰則はないんですね。
性善説に基づいたガイドラインですね。
結局のところ信頼できる生産者を自分で見つけるしか無いという事ですね。(^_^;)