節分の豆まきのやり方について、イマイチ自信がないという人は案外多いと思います。
そこで節分の豆まきの正しいやり方と、食べる豆の数の意味、豆の種類について紹介します。
地域ごとの特色ある豆まきについても触れてます。
節分の豆まきの正しいやり方
節分の豆まきの正しいやり方・・・という言い方はやや微妙かもしれません。
節分の豆まきは、古くからある行事が少しずつ変化して今の形になりました。
「これこそが正しいやり方」というよりは、「今は一般的にこうやる」と言った方が正解かも。
そういった意味で、現代のスタンダードと思われるやり方を紹介します。いくつかのマナー本を参考にまとめました。
柊鰯を飾り付ける
まずは、節分の飾り付けを準備します。
柊の枝に焼いた鰯の頭を括り付けた「柊鰯」を用意してください。これを家の戸口や窓口に飾り付けます。
→節分にいわしを食べる理由!食べる地域と、めざしや秋刀魚でもOKか?
柊のトゲトゲした葉っぱが鬼の目を突き、焼いた鰯の臭いに鬼が退散するんだとか。
最近ではマンションなどの事情もあり、飾り付けをしない家庭が多いようです。
福豆を準備する
次に福豆を用意しましょう。
豆まきのために炒った豆を「福豆」と呼びます。
大豆を買ってきて、十分に炒ってから升に入れて神棚に供えます。
既に炒った豆が売られていますので、それを買えば手間が掛かりませんね。
できれば前日、遅くともその日の夕方までに用意して、神棚に供えておくのがオススメのようです。
豆まきは一家の主の役目
豆まきは一家の主が行います。
あるいは、長男や年男(その年の干支の人)が行っても良いとされてます。
江戸時代なんかは、そうだったようですが・・・。
しかし現代では、一家の主は鬼の面を付け、豆を投げつけられる役になってます。
現実的には、一家の主の役目は鬼ですね。(汗)
「鬼は外、福は内」の掛け声で豆をまく
夜になったら、いよいよ豆まきを始めます。
家中の戸を開けておき、それぞれの部屋で豆を蒔きましょう。
このとき奥の部屋から表側の部屋へ向かって、順番に豆を蒔きます。そうすることで、家の中から鬼を追い払います。(逆にすると家に鬼が留まってしまう)
豆を蒔くときは「鬼は外、福は内」の掛け声を忘れないようにしてください。
そして鬼役をしている人に豆をぶつけつつ、鬼を外に追い出したら、素早く戸締まりをします。
豆を拾って食べる
最後に室内に落ちている豆を拾って食べます。
歳の数だけ、あるいは歳の数+1個食べるのが良いとされています。
なぜ豆を食べるのかは後述してますので、そちらを見てください。
流行りの恵方巻きを食べる
最近良く見られる傾向ということで、節分の日に「恵方巻き」を食べる家庭が増えているようです。
「恵方巻き」は2000年以降に広まった風習で、セブンイレブンが全国販売したことで広まりました。もともとは大阪の海苔問屋協会が仕掛けた商業イベント。
「恵方巻き」の食べ方は、その年の恵方(縁起が良いとされる方角)に向かって、一本まるまる食べるというもの。その際、願い事をすると良いみたいです。
もともと商業イベントなので、真剣に考えなくても良いと思いますが。
特色ある豆まき
地域によっては、豆まきのやり方に特色があります。
例えば高知県の一部地域では、数え歳と同じ数の豆を袋に包み、それを家から一番近い四つ角に置いて、絶対に振り向かずに戻ってくるというものがあります。
京都の一部地域では、節分にオバケの格好をしたり、半紙にお金と豆を入れて後向に投げたりする風習もあるんだとか。
鳥取や愛媛の一部地域では、家から一番近い十字路(辻)に、白い紙に包んだ豆を置いてきて厄を落とすというのもあります。
このように節分の豆まきは地域ごとに特色があるので、家庭ごとにやり方が違っていても不思議ではありませんね。
実家のやり方が、ちょっと変わったものであっても、気にしなくてOKです。
節分で食べる豆の数の意味は?
節分で食べる豆の数は、歳の数か、あるいは歳の数+1個です。
これは明治時代まで、数え年で年齢を数えていたのが原因。
歳の数だけ食べると、向こう一年、無病息災でいられると言われています。
しかし、歳の数だけ食べる必要は本当にあるのでしょうか?結論からいうと意味は無いようです。
まめを食べること自体には意味があります。それは「まめ」という言葉に、以下のような意味が含まれているからなんだとか。
まめ【忠=実/▽実】の意味
2 からだのじょうぶなこと。また、そのさま。健康。たっしゃ。「―で暮らしております」「―なのが何より」
出典:goo国語辞書
「まめ」には健康であるという意味もあるんですね。
このことから、「まめ(健康)でいられるように」という願いを込めて、豆を食べるのだそうです。
それ以外にも、豆に宿った穀霊(穀物に宿る精霊)を取り入れ、霊魂を強くするためという話も。
大豆が選ばれた理由としては、中国最古の薬学書に「大豆は鬼毒を殺し痛みを止める」という記述があったからという説があります。
以上のことから、たくさん食べると健康になるという意味で、節分に豆を食べるのは間違いないと思います。しかし、歳の数だけ食べる必要はなさそうです。
ちなみに”豆をまく理由”については、以下の記事に詳しくまとめています。
→節分の由来や意味とは?なぜ豆をまくのか、飾り付けは鰯と柊なのか
次は節分で使う豆の種類を見ていきましょう。
節分で使う豆の種類
節分で使う豆といえば大豆・・・とは必ずしもいい切れません。
北海道や東北では、大豆の代わりに殻付きのピーナッツを使うことが知られています。
殻付きのピーナッツを使うのは衛生的だし、拾い集めやすいんだとか。
ちなみにピーナッツは殻に入った状態なので、拾うときは殻ごとカウントします。
その他、ビスタチオやチョコレートを蒔く人達もいるようです。ビスタチオも殻がついているので衛生的ですね。チョコレートは、カカオ豆から出来ているから、これも「豆」と言えるかも!
「伝統的じゃないからダメだろ」
なんて思う人もいるかもしれませんが、そもそも節分の成り立ちを振り返ってみれば、いろいろなものを使っていました。
搗栗・炭・米・麦・・・・
節分は中国の「大儺」という風習を取り入れたものですので、当初蒔いていた「小豆」や五穀もありだと思います。
「小豆」の形をちょっと変えて、甘納豆というのも素敵じゃないでしょうか。節分は甘納豆を食べる日。こっちのほうが、個人的にはやる気が出ますが。(^_^;)
いろいろ脱線しましたが、節分に使う豆は大豆以外もありだと思います。
まとめ
節分の豆まきのやり方について紹介しました。
ここで紹介したのは、あくまで一般的と思われる方法です。
節分の豆まきのやり方は地域によって違いがありますし、使う豆の種類も様々です。
蒔いた豆を拾って食べるという習慣も、いつから出来たのか不明です。当初、豆は厄災を祓って捨てられるものだったようです。
伝統は時代にあわせて変化するものなので、自分たちで変えていくもありではないでしょうか。
というわけで節分の豆まきは、形式に捕らわれず楽しんでやることが大切だと思いました。
やはり鬼はお父さんの役目で、子供が思っきり豆を投げつけて楽しむのが、現代の節分でしょう。
うちでは、家族それぞれ好きな豆を蒔くことにしました。(^_^;)
<参考文献>
著:知的発見!探検隊「日本のヘンな風習」
節分の由来や意味については以下の記事に詳しくまとめています。
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