赤ちゃんがいるのに、蚊取り線香って大丈夫かな?
蚊に良く効くだけに、赤ちゃんにも影響ありそうで心配ですよね。
それに、煙も身体に悪そうだし。
その辺りの心配事と、蚊取り線香の安全な使い方について書いてます。
赤ちゃんに蚊取り線香って大丈夫なの?
キンチョーの公式サイトには、妊婦や乳幼児も使ってOKと、バッチリ書いています。(参考文献1)
でもそーゆんじゃなくて、危険情報とが知りたいですよね。
その辺りのことを紹介するため、まずは蚊取り線香に含まれる殺虫成分を説明します。
蚊取り線香の殺虫成分はピレスロイド
蚊取り線香に含まれる殺虫成分は、ピレスロイド。
ピレスロイドは、除虫菊からとれる天然成分ピレトリンをまねて、人工的に化合したものの総称です。
蚊取り線香だけでなく、現在使われている殺虫剤の90%以上が、ピレスロイドだそうです。
ピレスロイドって人体に影響あるの?
ピレスロイドは、虫に対しては非常に強力な神経毒として働きます。
しかし人間には、ほとんど影響がないそうです。動物の身体に入ると、酵素によってすぐ分解され、尿となって排出されてしまうみたい。
というわけで人間への影響は低く、安全なものとされてます。
まぁ危険だったら、医薬部外品としての許可はおりませんよね。
でも、だからといって全く影響がないかというと、そこはハッキリしません。ピレスロイドに関する研究は今も世界中で進められており、中には影響があるかもという報告もあります。
例えば、フランスのレンヌ大学病院のJean-Francois Viel氏による発表では、ピレスロイドによる小児への影響が懸念されてました。
これは、ピレスロイドを吸収した量も関係してるようです。
でも、なんでもそうだけど、取り過ぎは危険ってことですよね。塩だって摂り過ぎたら危険なわけだし。
次は、明らかに蚊取り線香に気を付けねばならない人について。
蚊取り線香に気を付けるべき人
喘息やアレルギー疾患などがある場合は要注意です。
発作やめまいなどの症状が出ることがあるそうで。
あとは最近増えている、化学物質過敏症がある人も要注意。
赤ちゃんの場合は、そのあたりのことは様子を見てみないと分かりませんよね。ですので、使い始めは十分注意したほうが良いんじゃないかと思います。
次は、蚊取り線香の煙の影響について。
赤ちゃんに蚊取り線香の煙の影響はあるの?
蚊取り線香の煙って何となく身体に悪そうですよね。
調べてみたところ、蚊取り線香の煙にはベンゼンが含まているみたいです。(参考文献2)
蚊取り線香の煙にはベンゼンが含まれる
ベンゼン・・・どっかで聞いた響きです。
そう、豊洲市場の移転で問題になったアレですね。
蚊取り線香を6畳間で1時間つけると、その部屋の空気には、大気環境基準の3μg/㎥を超えるベンゼンが含まれるそうです。
ただこれ、ベンゼン濃度は平均10.9μg/㎥になるということで、大気環境基準を超えているとはいえ、そんなに大した数値ではありません。
正直、気にするほどの数値ではないように思います。
しかしベンゼンは、呼吸だけでなく皮膚からも吸収するとのことで、密室では使わないようにしたいですね。
ちなみにベンゼンは、お香や線香などからも出るとのこと。あまり過敏に反応する必要はありません。
PM2.5としての問題
蚊取り線香を燃やすと、煙がでるので当然PM2.5も出ます。
窓を閉めた部屋で2時間使うと、最大でPM2.5の濃度が1500μg/㎥にもなるとのこと。(参考文献3)
蚊取り線香を使うときは、換気しないと身体に悪そうです。
窓を開けている部屋でも、100〜250μg/㎥ぐらいの濃度になるようなので、長時間の使用は避けたいところ。ちなみに平成22年度の都市部のPM2.5の平均濃度は15μg/㎥。
まとめると、蚊取り線香の煙はヤバイってほどではないけど、身体に良くはなさそうです。
次は蚊取り線香の安全な使い方について。
赤ちゃんがいるときの蚊取り線香の安全な使い方
赤ちゃんがいるときは、なるべく安全な蚊取り線香の使い方をしたいですよね。
最低でも、製品説明に書いてあることは守りましょう。
[aside type=”warning”]
- 窓を開け風通しの良い状態で風上に置く
- 小児の手が届かないところで使う
[/aside]
これらの用法を守ったうえで、さらに安全に使うには・・・。
赤ちゃんのいる部屋で使わない
赤ちゃんのいる部屋で使わないのが一番いいですね。
蚊取り線香は、赤ちゃんを別の部屋に移した状態で使います。
このとき扇風機を回して煙を隅々まで送ると、物陰に潜んでいる蚊もしっかり駆除できます。
そして2時間ぐらい放っておいて、そのあと換気をしてから赤ちゃんを部屋に戻せばOK。
こうすると蚊もいなくなるし、殺虫成分も残らないしで、部屋が安全な状態になるかなと。
もし赤ちゃんが別室で蚊に刺される心配があるなら、蚊帳を使うと安心です。最近はワンタッチで使いやすいものが安いので。
赤ちゃんが蚊取り線香を誤飲する
赤ちゃんが蚊取り線香を誤飲する事故も、結構おきてます。
なかには、火が付いてる状態のものを食べちゃうことも。そんなシーン、絶対に目撃したくありませんね。(^_^;)
というわけで、蚊取り線香を焚くときは、赤ちゃんの手の届かない場所に置きましょう。
もし万が一、赤ちゃんが誤って食べてしまった場合は、以下の指示に従います。
身体に異常を感じたときは使用を中止し、また小児などが誤って食べた場合は直ちに吐き出させ、本剤がピレスロイド系の殺虫剤であることを医師に告げて診療を受けてください。
次は天然成分の蚊取り線香について。
天然成分の蚊取り線香が赤ちゃんには優しい?
天然成分のピレトリンを使った蚊取り線香も売られています。
天然成分だけあって、何となく身体に良さそうですね。
実際、効き目がやわらかだという話もあります。
天然成分のピレトリンは、空気に触れると揮発・分解されやすいとのこと。合成のピレスロイドよりは、害が少なそうな気がしますね。
でも天然だからって、本当に体に良いとは限りません。そこらへんは未知数です。
気になる人は、製品をチェックしてみてください。
まとめ
赤ちゃんに蚊取り線香は大丈夫なのかについて書きました。
赤ちゃんへの蚊取り線香は、まず問題ないと思います。ただし、喘息やアレルギー体質の場合は注意。
また使うときは、なるべく換気しながら使いましょう。
もし、蚊取り線香を少しでも安全に使いたいのであれば、赤ちゃんを別の部屋に移した状態で使います。蚊を駆除した後に換気して、赤ちゃんを戻せば完璧です。
とはいえ、家の中ではなるべく殺虫剤を使いたくないので、蚊の侵入を防ぐことに力をいれてます。
<参考文献>
1. KINCHO「KINCHO 製品 Q&A」
2. 厚生労働省「線香、お香及び蚊取り線香の 煙中ベンゼン濃度」
3. 虎の門病院 呼吸器センター内科 岸一馬著「大気汚染と呼吸器疾患」
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