雪道の運転は、ホント怖いですね。
私も乗り始めて数年は、何度も危ない目に遭いました。
しかし雪道に熟練していくうち、そういったことも無くなり、20年ちかく無事故で過ごせています。
東北地方で磨いた、雪道運転の注意点とコツを紹介します。
雪道運転の前に
雪道運転の前に、必要な装備を整えておきましょう。
まずスタッドレスタイヤ、これを履かずに雪道を走ってはいけません。
次にスコップとタオル。これは雪にハマったとき必要です。後は雪落とし棒。屋根の無い駐車場に停めるなら、持っておかないと大変です。
最低限これぐらい要るかなと思いますが、その他にも持っていたほうが良いものはたくさんあります。以下にまとめました。
[aside type=”normal”]雪道を走るために必要なもの
- スコップ
- タオル
- 雪落とし棒
- チェーン
- 寒冷地用ウォッシャー液
- 牽引ロープ
- ブースターケーブル
- スタック脱出用ステップ
- 防寒手袋
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雪道に必要な装備品を確認したら、次は路面状態についてです。
雪道の路面状態を確認
雪道の運転で大切なのは、その日の路面状態を知ること。
路面状態は大きく分けて、次のパターンがあります。
雪が踏み固められた“圧雪状態”
雪道で最もスタンダードな状態。ゆっくり運転すれば、そこまで怖くありません。
チェーンの轍で凸凹になった部分は、ハンドルを持っていかれ易いので気を付けてください。また除雪車が通った直後は、とても滑りやすい。
雪が溶け始めた“シャーベット状態”
暖かい日や雨の日に雪が溶けることで、シャーベット状態になります。
道路が凸凹に成っていることが多く、非情に走りにくい。
雪の塊があると滑りやすく、ズルッと10〜30センチぐらいスライドします。対向車とすれ違うときは注意。
溶けた雪が凍った“アイスバーン”
雪道に慣れていても、アイスバーンは怖いです。
特に表面がすこしだけ溶けて、ツルツルになっているアイスバーンは最悪。日当たりの悪い交差点などで作られます。
日中はよく晴れて夜に冷え込んだ日など、アイスバーンが作られることが多いので気を付けましょう。
道路が濡れているように見える“ブラックアイスバーン”
勘違いしやすいのがブラックアイスバーン。
何がひどいって、道路が濡れてるだけに見えます。でも実際は、道路の上に薄い氷が張っている状態。濡れているだけだと思ってスピードを出すと危ない目に。
早朝や夜中など、ブラックアイスバーンが発生しやすいので注意。溶けていると見間違わないようにしてください。
というように路面状態には様々なパターンがあります。
[aside type=”boader”]雪道の路面状態まとめ
- 雪が踏み固められた“圧雪状態”
- 雪が溶け始めた“シャーベット状態”
- 溶けた雪が凍った“アイスバーン”
- 道路が濡れているように見える“ブラックアイスバーン”
[/aside]
実際には、圧雪とアイスバーンが混じっていたり、アイスバーンの上に粉雪が積もっていたりなど、組み合わせはたくさんあります。
路面状態を把握した上で、それに合わせた運転をすることが大切です。
雪道運転の基礎
雪道運転では、急発進、急ブレーキ、急ハンドルは禁物。
タイヤが空回りしないようゆっくり発進し、十分な余裕をもってブレーキを踏み、ゆっくりハンドルを切ります。
また車間距離は、いつもの2倍は必要。前の車のペースで走っていても、ブレーキ性能が違うので、同じ制動距離で止まれるとは限りません。
吹雪になったときは、フォグランプ、またはヘッドライトを付けるのを忘れずに。
ちなみにフォグランプは、スモールライトとは別ですよ。運転席のパネルの何処かに、フォグランプのスイッチが付いていると思います。
あとは出来るだけ、先頭を走るのを避けましょう。雪道運転に慣れるまでは、先頭は他の車に譲って、後方を走ったほうが安全ですよ。
雪道運転でのブレーキ
雪道でのブレーキは、いつもより慎重になりますね。
その日の乗り始めに、ブレーキの効きを確かめましょう。
乗り始めに制動距離をチェック
乗り始めに簡単なテストをすると、その日のブレーキの効きと路面状態、ABSの感触をチェックできます。
やり方は簡単で、10キロぐらいの低速から急ブレーキを踏むだけ。凍っていればツツツーと滑り、そうでなければブレーキが効きます。
慣れていないうちは、急ブレーキを踏みすぎて事故らないように。後ろから車が来ていないか確認してからテストしてください。
テストしてみて滑るようなら、その日はリスクが高いということ。いつもよりゆっくり走って、ブレーキは早めを心掛けましょう。
エンジンブレーキ
雪道ではエンジンブレーキを使って、安全に走ります。
AT車であれば、ギアのところにオーバードライブボタンが付いているので、それを“OFF”にすることで、簡単にエンジンブレーキを利用できます。
[box class=”blue_box” title=”オーバードライブOFF”]オーバードライブをOFFにすると、変速がTOPギアに入りません。例えば、4速ATであれば3速までにしか変速しません。これによりエンジンブレーキが掛かります。[/box]
その他にもAT車であれば、ギアをセカンドに入れることで、強めのエンジンブレーキを掛けることも出来ます。
高速走行中に、いきなりセカンドに入れないよう気をつけてください。その場合は速度を60キロぐらいに落とした後、オーバードライブOFFを使います。
エンジンブレーキは主に下り坂、スピードが出過ぎた場合、前の車に近づきすぎた場合などに使います。普段の運転でも使えますので、利用してみてください。
ブレーキはかなり早めに
雪道に慣れていないうちは、かなり早めにブレーキを踏みましょう。
特にアイスバーンで下り坂など、ブレーキがほとんど効かないことがあります。停車しようと思ったら、早めに速度を落としておいて、ゆっくりと目標に近づくのが良いと思います。
雪道のブレーキに関しては、よくABSについて論争があります。「雪道ではABSを頼れ」という意見と、「雪道でABSはダメだ」という意見。
国土交通相のサイトには以下のようなアドバイスも書かれています。
実際、路面状況によって、ABS付がついている車のほうが制動距離が伸びる場合もあります。また、ABSの性能によっても制動距離が大きく変わります。
Q1
ABSがついていると短い距離で止まれるのですか?A1
通常は、大きな変化はありませんが、濡れて滑りやすくなっている路面などでは停止距離が短くなります。ただし、新雪時や砂利道、タイヤチェーンを装着しているときなどは、停止距離が伸びる場合もあります。
タイヤと車の性能によって違うので一概に言えませんが、個人的にはABSが動作しない程度で、ブレーキを掛けるのが安全だと思います。
もちろん、雪道で急ブレーキを掛ける場合は、ABSを頼るしかありません。しかし普段からABSを使っていると、それ以上の余裕が無いことが不安です。
次は雪道でのカーブの曲がり方についてです。
雪道でのカーブの曲がり方
雪道でカーブを曲がるときは、カーブに進入する手前で、十分速度を落とします。
曲がりながらブレーキを踏むのは、リスクがありますよ。
私の場合は、カーブを曲がっている最中も、ある程度アクセルを踏んでいます。これは万が一スリップした場合に、アクセルを抜くことでグリップを戻す余裕を持つことができるから。
アクセルを踏んでいない状態でスリップすると、もう何もできません。
また、気を付けるカーブとしては、日陰になっているところ。そこだけアイスバーンになっていたりするので、日当たりについても考えておきましょう。
うちの近くにも、木で覆われたカーブがあり、そこだけよく事故が起きます。カーブ以外は雪が溶けているので、そうなるんでしょうね。
雪道でカーブの次に危険がなのが坂道です。
雪道の坂道
下り坂
雪道の下り坂は、いくら慣れていてもスピードは出せません。
エンジンブレーキを使うのは必須。キツイ坂でなければ、オーバードライブOFFとフットブレーキでOKです。
キツイ下り坂であれば、ギアをセカンドに入れて、慎重に下ります。
ブレーキはかなり遠くから、数回に分けてスピードを落とすやり方がオススメ。そのほうが、後続車から追突される危険も減ります。
上り坂
上り坂の注意点は、途中で止まってしまった場合に、再発進できなくなる可能性があること。
これは渋滞していたり、前方を走っている車が右折するときなどに、起こりえます。
上り坂で停まるにしても、角度のキツくないところにしたいですね。坂に対して、少し斜めに停めると良いという話もあります。
次に雪道での危険なポイントを確認しましょう。雪道を運転したことがないと、危ない場所は分からないと思います。
雪道運転で危険な場所
交差点
街中の交差点は融雪されていることが多いですが、田舎の道にそんな仕組みはありません。
交差点付近は、ブレーキや発進を繰り返すことによって、ツルツルに磨き上げられていることがあります。
田舎の雪道を走るときは、交差点付近に注意して下さい。
日陰
先程もちょっと触れましたが、日陰になっているところは危険です。
日当たりの良いところは雪が溶けていても、日陰になっているところは、雪が残っていたりアイスバーンになっていたりします。
特に交通量が少ない道は雪解けも遅く、そういった場所が多いです
橋の上
橋の上だけ凍っていることがあります。
これは橋が地面から離れていることが原因。橋の下を冷たい風が吹き抜けるので、良く冷えるんですね。
道路の雪が溶けていても、橋の上だけ凍っていることがあります。ブラックアイスバーンになっていることも。
道路の雪が溶けていても、橋の上に差し掛かかるときは、スピードを落として進入しましょう。
トンネル
トンネルの中は、たいがい凍っていません。トンネル内ではスピードを出しやす行く、出口付近でスリップする可能性が高くなります。
また、トンネルの入り口と出口付近は、溶けた雪で凍っていることも。
最後に雪道を走り終わったあとに、やるべきことを確認しましょう。
雪道を走り終わったら
雪道を走り終わったら、洗車について考えておきましょう。
雪道には融雪剤が撒かれており、これが錆の原因となって、車の下回りにダメージを与えます。
最近の洗車機には、「下回りオプション」が付いているので、それで洗うのがてっとり早いですよ。ただし、ホイールは洗えていないことが多いので、家に帰ってから自分で洗います。
一番楽なのは、ガソリンスタンドの洗車サービス。お店やスタッフによってサービスに差はでますが、基本的にホイールも洗ってくれます。
洗車サービスは、前面に売り出されているわけではないので、料金やらオプションについては、直接きいてみてください。
まとめ
雪道運転は怖いし疲れますね。
雪道運転に慣れていても、シーズン必ず1〜2回はドキッとする場面があります。雪道というのは、走れば走っただけリスクがある気が。
もしスリップして、どうしても止まれない場合は、ガードレールに車体を擦り付けるか、縁石に乗り上げるしかありません。雪壁があれば、そこに突っ込む方法もありますが。
雪道を運転するときは、イザというときの対処法も考えておきましょう。
私は縁石に乗り上げるのと、雪壁に突っ込むことで、スリップした後も無傷で止まったことがあります。
しかし、最近ではスリップしないようになりました。雪道への熟練度もあるでしょうが、年齢もあるかもしれませんね。
若いうちはスピードを出しがち、雪道運転では気を付けましょう(^_^;)
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