秋の七草の種類と覚え方、由来となった万葉集の歌について

秋の七草

秋の七草って、どんな種類があったっけ?

つい忘れてしまう秋の七草。

秋の七草の種類と、その覚え方、由来となった万葉集の歌について詳しく紹介します。

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秋の七草の種類

秋の七草は、万葉集で詠まれている山上憶良の歌がもとになってます。

奈良時代から変わらない、秋の七草を見ていきましょう。

萩(はぎ)

萩の花
  • 生息:日本全国の山地や丘陵
  • 開花:7〜9月
  • 高さ:1.5〜2mの低木

万葉集で最も多く詠まれている草花。萩という字は草冠に秋と書きます。また、秋のお彼岸で使われる「おはぎ」も萩が由来。萩は、秋を代表する花でした。今でも山野で、自生している萩を見ることができます。

薄(すすき)

ススキ
  • 生息:日本全国の草地
  • 開花:7〜9月
  • 高さ:草丈1〜2m

万葉集では、薄(すすき)の古称である尾花(をばな)という名前で、よく詠まれています。薄は昔から秋を象徴する草花。十五夜でも大事な飾りです。でも最近は、自生している場所が少なくなっているそうです。

葛(くず)

葛の花
  • 生息:北海道から九州の山野
  • 開花:7〜9月
  • 高さ:蔓性の木で10〜15m

葛はその根っこの方が有名。干せば葛根という生薬になります。そう、葛根湯のもとですね。その他、葛切りや葛餅、葛餡など料理にも使われます。とても役に立つ草花で、昔から食べ物や薬、織物の原料とされてきました。

撫子(なでしこ)

河原撫子

写真:河原撫子(かわらなでしこ)

  • 生息:北海道から九州の草地や河原
  • 開花:6〜9月
  • 高さ:草丈30〜80cm

日本女性にも例えられる可憐な花。大伴家持や紫式部もこの花をよく用いました。ちなみに撫子(なでしこ)とはナデシコ属の総称。実はカーネーションもナデシコ属です。万葉集など古典に登場するものは、河原撫子(かわらなでしこ)だと考えられています。

女郎花(おみなえし)

女郎花
  • 生息:北海道から九州の草原
  • 開花:7〜10月
  • 高さ:草丈60〜100cm

万葉集でもよく詠まれている草花。女郎花(おみなえし)という漢字になるのは平安以降。その名から美しい女性の姿を連想させます。女郎は遊女の意味ではなかったかもしれません。古代中国において女郎とは、「若い女性」の意味でした。自生している数が、少なくなっているそうです。

藤袴(ふじばかま)

沢藤袴

写真:沢藤袴(さわふじばかま)

  • 生息:関東地方以西、四国、九州の河辺
  • 開花:8〜9月
  • 高さ:草丈60~120cm

万葉集で藤袴が詠まれるのは、山上憶良の一首のみ。当時は、あまり生えていなかったのかも?古典で頻出するようになったのは古今和歌集以降です。河原や土手に自生しますが、近年は護岸工事によって減少し、絶滅危惧種となってます。

桔梗(ききょう)

桔梗
  • 生息:北海道から九州の草原
  • 開花:7〜9月
  • 高さ:草丈15〜100cm

万葉集の山上憶良の歌では朝貌と詠まれています。しかし、これは桔梗であるとする説が有力。桔梗は、明知光秀や坂本龍馬の家紋としても有名ですね。陽当たりの良い草原に自生してますが、数が減っていて絶滅危惧種となってます。

七草のうち2種類もが絶滅危惧種って、とても残念ですね。

次は、秋の七草の覚え方について。

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秋の七草の覚え方

秋の七草の覚え方には、スタンダードなものがあります。

それは、七草の頭文字をとって、語呂合わせしたもの。

『おすきなふくは(お好きな服は)』と覚えます。

お・・・女郎花(おみなえし)
す・・・薄(すすき)
き・・・桔梗(ききょう)
な・・・撫子(なでしこ)
ふ・・・藤袴(ふじばかま)
く・・・葛(くず)
は・・・萩(はぎ)

しかし個人的には、『はすきーなおふくろ』のほうが印象強くて忘れにくいと思います。

は・・・萩(はぎ)
す・・・薄(すすき)
き・・・桔梗(ききょう)

な・・・撫子(なでしこ)
お・・・女郎花(おみなえし)
ふ・・・藤袴(ふじばかま)
く・・・葛(くず)

語呂合わせを覚えるの良いんですが、花の名前を忘れないようにしてください。

既に「女郎花」を読めなくなってたりしませんか?

「女郎花」と「藤袴」は、存在そのものを忘れがち。肝心の草の名前を忘れてしまっては意味がありませんね。

というわけで、この2つの草花はしっかり覚えましょう。

次は、秋の七草の由来となった万葉集の歌について。

秋の七草の由来となった万葉集の歌

秋の七草は、万葉集に載っている2首から成り立っています。

秋の野に咲きたる花を指(および)折り
かき数ふれば七種(ななくさ)の花

萩の花尾花(をばな)葛花撫子の花
をみへしまた藤袴(ふぢばかま)朝貌の花

山上憶良

2首目の和歌は旋頭歌といって、五・七・七、五・七・七の六句で構成されています。

この歌によって、次の7つの草花が秋の七草となりました。

秋の七草

萩(はぎ)
尾花(おばな)→薄(すすき)
葛(くず)
撫子(なでしこ)
女郎花(おみなえし)
藤袴(ふじばかま)
朝貌(あさがお)→桔梗(ききょう)

ちょっと、尾花(おばな)と朝貌(あさがお)について、補足しますね。

まず、尾花とは薄の古称です。なぜ名前が変わったのかは分かりません。

次に朝貌なんですが、これは朝に咲く花の朝顔とは違います。朝顔は夏の花だし、当時の日本にはなかったので、この朝貌は昼顔か木槿、あるいは桔梗といわれています。

で、当時の環境と、日本最古の漢和辞典「新撰字鏡」で、桔梗の和名が阿佐加保(あさがお)だったこともあり、朝貌=桔梗だという説が有力になりました。

秋の七草に薬草が多いのはなぜ?

秋の七草に挙げられる植物には、薬草が6種も入ってます。

山上憶良は遣唐使として、唐で儒教や仏教など最新の学問を学んだ人。

薬草が多かったのは、中国の「七種菜羹」などの知識があったのかもしれません。

まとめ

秋の七草の種類や覚え方を紹介しました。

万葉集の山上憶良の歌がもとになっている秋の七草。

『はすきーなおふくろ』で七草の種類を思い出しましょう。

尾花と朝貌以外、今でも呼び名が変わらないところが素敵ですね。

千年のときが経っても、同じ花を愛でることができます。

 

秋の七草のセレクトには、華やかさよりも侘び寂びを感じます。

このうち2種類は絶滅危惧種。もうすぐ自生している姿を見られなくなってしまうかもしれません。

見つけたら周りをちょっと草刈りとかしたいと思います。

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