食感が美味しいエリンギ。
真っ白でたんぱくな味わいで、栄養がなさそうに思われがちですが。
でも、そのイメージとは裏腹に、意外と栄養豊富なんです。
今回はエリンギの栄養と、女性に嬉しい5つの効能を紹介します。
まずは栄養成分から見ていきましょう。
エリンギの栄養成分
エリンギの栄養成分の中でも、特に豊富なものをピックアップしました。
食物繊維
エリンギには、食物繊維が豊富に含まれています。
その含有量はキノコのなかでもトップクラス。
100gあたり4.3g含まれています。根菜類のごぼうが6.0g、大根が5.0g、人参が4.0gですから、野菜の中でも多い方です。
エリンギの食物繊維は水に溶けない不溶性なので、便秘を解消したり、腸のお掃除をしたり、身体の有害物質を排出する効果が期待できます。
現代人は食物繊維が不足してるそうですから。特に女性はその半数が便秘に悩んでいるとか。
積極的に摂りたい栄養素ですね。
βグルカン
食物繊維の一種であるβグルカンは、免疫力の向上に役立つといわれ注目されています。
免疫力があがることで風邪を予防したり、アレルギー症状を改善する効果も期待できるとか。
さらにシイタケ、カワラタケといったきのこ由来のβ-グルカンは、癌に対する有用性が認められ、医薬品としても実用化されているほど。
ビタミンD
ビタミンDは、カルシウムの吸収率を高めます。
日本人はカルシウム不足と言われていますので、カルシウムの豊富な食品とぜひ一緒に食べたいところ。特に50歳以上の女性は、3人に1人が骨粗鬆症にかかっているそうです。
年齢が上がるほどに、摂っておきたい栄養素ですね。
また最近では、免疫力を高める効果も注目されてます。
ちなみにエリンギは、2〜3時間天日干しすることで、ビタミンDの含有量を数倍に増やすことができますよ。
ビタミンB群
エリンギは、一般的な野菜よりビタミンB群が豊富です。
ビタミンB群は、体内で活性化してから働くようになるのですが、その際いろいろなビタミンBが必要になります。だからビタミンBは複数種類を一緒に摂ることがとても大切。
その点、エリンギは複数のビタミンBが含まれているので効果的です。
ビタミンB1は、糖質の代謝に欠かせません。アルコールの代謝にも必要です。
ビタミンB2は、脂質の代謝に欠かせません。皮膚や粘膜の健康にも影響します。過酸化脂質を取り除く、抗酸化作用もあります。
ナイアシン(ビタミンB3)は、アルコールの代謝に必要です。二日酔いの原因になるアセトアルデヒドの分解も助けます。
ビタミンB6は、たんぱく質の代謝や、筋肉や血液の生成に関係します。皮膚や粘膜の健康維持、女性ホルモンを調えるのに欠かせません。
葉酸は、血液を増やす「造血のビタミン」としても有名。たんぱく質や細胞を作るのにも必要です。妊娠中は普段の2倍必要です。
ビオチンは、アミノ酸の代謝を助け、髪の健康を維持する働きがあります。
パントテン酸は、脂質・糖質・たんぱく質の代謝に欠かせません。
カリウム
きのこ類は、基本的にカリウムを多く含んでいます。
カリウムの一番大きな働きは、取り過ぎたナトリウムを排出すること。だから塩分の多い日本食には欠かせません。
特に夏場は汗をかきやすく、カリウムが汗と一緒に流れてしまうので、積極的に補充したいところです。
トマト、きゅうり、キャベツといった夏野菜より多く含まれています。
オルニチン
オルニチンはアミノ酸の一種で、“肝臓によい成分”として有名。
オルチニンといえばシジミが有名ですが、実はエリンギの方が多く含んでいます。その含有量は100gあたり30mgでシジミの1.5倍ほど。
オルチニンの最も注目される働きは、肝臓での解毒作用。筋肉疲労やたんぱく質の分解によって溜まったアンモニアを解毒します。
それにより肝機能が高まり、アルコールの分解や日常的な疲れを回復する作用が強まります。
<参考文献>
オルチニン研究会
GABA
神経の高ぶりを抑え、リラックス効果が期待されるGABA。
ストレスの多い現代社会で、ますます注目を集めています。
GABAは他にも、コレステロールや中性脂肪を抑えたり、腎臓・肝臓機能の働きを活性にして血圧を下げたり、アルコールの分解などに効果があると言われています。
また最近では、アルツハイマー症の予防や改善にも、効果が期待されてます。
ここまでエリンギの栄養成分を見てきました。次は効能を見ていきましょう。
エリンギの効能
ダイエット効果
エリンギはTV番組の「バイキング」でも取り上げられるほど、ダイエットに向いている食品。
エリンギに豊富に含まれているカリウムは、むくみの原因になる塩分の排出に効果的。
ビタミンB群は、糖質・脂質の代謝を助けるので、体内の糖質・脂質を減らすのに役立ちます。
置き換え食としても魅力的で、ボリュームがある割にカロリーは1本あたり10kcal。これならいくら食べても太りません。
食物繊維が豊富なので、便秘解消にも向いています。
さらに、エリンギのなかに中性脂肪の吸収を抑える働きが見つかり、体脂肪を減らすという研究結果が報告されています。
美容効果
エリンギに豊富なビタミンB群は、皮膚や毛髪の健康を維持する効果があります。
肌や髪のトラブルを防ぐだけでなく、ターンオーバーを促進し、艶やハリのある肌や髪へと繋がります。
また、食物繊維によって体内の毒素を排出したり、腸内環境を調えることも重要。腸内環境が整えば、様々な肌のトラブルから開放されます。
冷え性に効く
葉酸は別名「造血のビタミン」とも呼ばれ、血液を作り出し血流を改善します。
さらにナイアシンは毛細血管を広げ、血流を良くする働きがあります。
これらの働きにより全身に血が巡りやすくなり、身体が温まることで冷え性が改善。
また、ビタミンB群は、代謝をアップしてエネルギーを生み出すので、体温の上昇に役立ちます。
風邪の予防
βグルカンには腸内の免疫細胞を活性化させ、免疫力を高める働きがあります。
皮膚や粘膜の健康維持に欠かせないビタミンB2やB6も、風邪を予防するのには効果的。
ビタミンDには、抗菌物質を分泌して免疫力を高める効果が期待されています。
また、不足すると免疫機能が低下するビオチンも摂ることができます。
二日酔いに効く
エリンギに含まれているオルチニンは、肝臓の働きを助けます。
そうして肝機能が高まることで、二日酔いによる疲労回復が早まります。
また、ビタミンB1とナイアシンはアルコールの代謝に必要で、お酒を飲んだときに大量に消費されます。不足すると二日酔いの原因にも。
ここまで、エリンギの効能を見てきました。次はどのようにして食べると、栄養を上手く摂ることができるのか、見ていきましょう。
エリンギの栄養を逃がさない食べ方
エリンギの調理法
エリンギに含まれるビタミンB群は、水に溶け出す水溶性のビタミンです。
ビタミン以外のカリウムも水に溶けやすい性質があります。
一番のオススメは、煮汁まで飲めるスープや炊き込みご飯など。
焼いたり蒸したりする料理は、時間を掛けた分だけ栄養が流出してしまうので注意です。
いっぽう、ビタミンDは脂溶性のビタミンなので、炒めたりドレッシングをかけたりなど、油と一緒に摂ると効率的に吸収できます。
ビタミン類は、必要以上に摂った分は、すべて排出されてしまいます。
少しずつでも毎日の食事から摂るようにしましょう。
エリンギは洗わないで使う
これは良くある間違いなのですが、エリンギは洗わなくてOKです。
むしろ洗ってしまうと、栄養や旨味が流れ出てしまいます。
エリンギの根本に栽培用のオガ屑が付いている場合は、そこだけ拭き取ればOK。
日本で最大のキノコメーカー・ホクトと、2番手の雪国まいたけでは、『エリンギは洗わずにそのまま使えます』と説明していますので、ぜひそのまま使いましょう。
ちなみに農薬も使っていないようです。
あとがき
エリンギって、見た目よりも栄養豊富。
“肝臓によい成分”で有名なオルニチンが含まれているのも驚きです。
これなら毎日の食卓にも、堂々とエリンギを出せますね。エリンギは安くて使いやすくて、毎日でも使える食材です。
エリンギは使い切れなくても大丈夫。長持ちする保存方法があります。詳しくは以下の記事でまとめてます。
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