うなぎ、あなご、ハモって、よく似てますよね。
蒲焼きにして3つ並べたら、見分けが付かないかもしれません。
- うなぎはうな重
- あなごは寿司ネタ
- ハモはお吸い物
そんなイメージがあります。
食べると味が違うのは分かるんですが、それ以外にどんな違いがあるんでしょうか?
うなぎ、あなご、ハモの特徴的な違い
うなぎ | あなご | ハモ | |
---|---|---|---|
分類 | ウナギ目ウナギ科 | ウナギ目アナゴ科 | ウナギ目ハモ科 |
生息地 | 淡水、産卵時は海水 | 海水 | 海水 |
皮膚色 | 青黒 | 茶褐色 | 茶褐色 |
鱗 | あり | なし | なし |
呼吸法 | 皮膚呼吸、エラ呼吸 | エラ呼吸 | エラ呼吸 |
顔の形 | 下顎が出ている | 上顎が出ている | 口先が鋭い |
しっぽ | 丸い | 尖っている | 尖っている |
カロリー | 255kcal | 161kcal | 144kcal |
ビタミンA | 2400μg | 500μg | 59μg |
値段 | 高い | お手頃 | 時期による |
こうして並べてみると、うなぎの違いが目立ちますね。
生息地、鱗、呼吸法の違いが際立ってます。
うなぎの違い
Photo by opencage / CC BY-SA 2.5
驚くべきことに、うなぎには鱗があります。
そんなイメージないですよね?(^_^;)
うなぎの鱗は退化していて皮の中に埋まっています。
なんでも6万枚あるとか。
うなぎは皮膚呼吸とエラ呼吸を併用します。
皮膚呼吸ができるので、陸に上がってもかなりの時間動けるんです。
驚くべき能力ですね。
産卵期には、うなぎは海に入ります。
うなぎといっても種類があるので、ここでは一般的なニホンウナギのことにします。
産卵期には海に入り、なんとマリアナ海溝(グアムとフィリピンの間)まで旅します。
マリアナ海溝で産まれたニホンウナギの卵は、稚魚となって日本に戻ってきます。
ニホンウナギは凄い距離を回遊する魚だったんですね。
実は養殖うなぎっていうのは、ニホンウナギの稚魚を捕らえて、それを育てたものです。
だから養殖っていっても、天然うなぎの全体量は減るわけなんですよ。
うなぎの漁獲高は減り続けているんですが、理由のひとつは稚魚の乱獲です。
そしてなんとニホンウナギは絶滅危惧種に指定されています!
‥食べていいんですかね?(;´∀`)
天然うなぎの漁獲高は1%、養殖うなぎが99%となっています。
天然うなぎは専用のお店にいくか、自分で釣るしかないんですね。
うなぎは栄養価にも違いがあります。
ビタミンAの含有量が食品の中でもトップクラス。
ビタミン類も豊富で、このことから滋養強壮、美容効果、疲労回復など様々な効果があるとされています。
あなごの違い
Photo by temaki
あなごには鱗がありません。
皮膚呼吸も出来ず、エラ呼吸のみです。
あなごは海に住みます。
海の底の砂泥の中や岩の隙間に潜みます。
あなごも種類が多いので、一般的なマアナゴのことにします。
マアナゴは産卵のため沖ノ鳥島の南380kmまで移動します。
マアナゴも大きく回遊する魚だったんですね。
マアナゴは漁獲量が減り続けています。
マアナゴの漁獲高は韓国が日本の4〜5倍で、中国に至っては発表されていません。
いったいどれぐらい爆食されているんでしょう。
寿司ネタで穴子がなくなったら困りますよね?(,,゚Д゚)イチダイジ
ハモの違い
Photo by James Lin / trimmed
ハモに鱗はありません。
皮膚呼吸も出来ず、エラ呼吸のみです。
ハモは海に住みます。
海の底の砂泥の中に潜みます。
ハモはうなぎやあなごと違って、産卵のために移動しません。
ハモは地元に住み着くタイプの魚なんですね。
ハモは外見に大きな特徴をもっています。
というか顔が怖いです。
口先は尖っているし、口が奥の方まで裂けていて、鋭い歯を持っています。
釣り上げたときには、噛みつかれないように注意が必要です。
まともに顔を見るとマジで怖いっす(;´∀`)
ハモの最大の違いは、関西と関東での扱い。
関東ではハモはあまり見かけません。
しかし関西ではハモはメジャーな食べ物ですよね。
関東で広まらない理由の一つは、ハモをさばける職人が少ないからだとか。
東京に住んでますが、ハモ料理って確かにメジャーではありません。
私好きなんですが。(´;ω;`)
ハモも年々漁獲高が減っているので心配です。
まとめ
うなぎ・あなご・ハモはよく似ていますが、それぞれ特徴があるんですね。
特にうなぎは、鱗があったり皮膚呼吸したりと、他とは大きく異なる特徴をもってます。
絶滅危惧種にもなっているし。(^_^;)
ハモに関しては関東と関西で扱いが違うのも面白いです。
京都出身の友達が東京に出張で着きていたとき、
「ハモはどこで食べればいいんじゃ?」
と言っていたのを思い出しました。
たしかにハモって東京じゃあまり見かけないですね。
うなぎ、あなご、ハモどれも漁獲高が減ってきているので心配ですね。
食べ過ぎないように気をつけたいところです。
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参考資料
・水産庁「全国的なマアナゴ漁獲の動向と加入量調査の状況」