水道水を飲み水や調理に使いたい。
そんなとき気になるのが塩素ですね。
何となく身体に良くなさそうだし、できれば取り除きたいです。
そこで塩素を抜く方法をいろいろ試してみました。
水道水の塩素を除去する方法を実験!
はじめに、塩素や道具について簡単に説明しておきたいと思います。
水道水に残っている塩素は2種類
水道水に残っている塩素は2種類あります。
遊離残留塩素と結合残留塩素。
塩素の検査をするときは、このうち殺菌力が強い遊離残留塩素を測るのが一般的。売っている水道水の検査薬も、ほとんどがこの遊離残留塩素をチェックするものです。
残留塩素っていったら、ふつうは遊離残留塩素のことを指すみたいですよ。
というわけで今回の実験でも、遊離残留塩素を測ります。
ちなみに結合残留塩素とは、すでに他の物質がくっついちゃったもの。だから殺菌力が弱くなってます。
実験のために使った道具
実験のために使った道具は、柴田科学の「残留塩素測定器」。
これにDPD試薬という、残留塩素を色で判別する薬を使います。
水道水の塩素の濃度について
うちの水道水を測ってみたところ、残留塩素は0.4mg/Lぐらい。
実はこれ、ちょっと濃い目なんですが、夏の間は仕方ないのかもしれません。
東京など美味しい水を目指す水道水の残留塩素は0.1〜0.4mg/L。しかし夏場は水が腐りやすく菌が増えやすいので、塩素が濃い目に入ってるそうです。
さて、この残留塩素を取り除いていきます。
では早速、実験していきましょう。
水道水の塩素除去は放置でOK?
水道水の塩素を取り除く最も簡単な方法は、水を汲み置きして放置すること。
実はこれだけで、塩素って勝手に抜けていくんですね。
でも、どういった条件でどれぐらい抜けるのか分かりません。適当に試してみました。
一晩放置
500mlのペットボトルに水を汲んで、フタを開けたまま机の上に一晩放置します。
フタを開けたままにするのは、揮発した塩素を逃がすため。
で、翌日これを測ってみると、0.2mg/Lぐらい塩素が残ってました。
12時間ぐらいだと、こんなもんみたいです。
この調子であれば、1日〜1日半ぐらい放っておけばキレイに抜けるんじゃないかと。
でも予想より残っていたし、なによりもっと早く塩素を抜きたいですね。
太陽光(紫外線)をあてる
太陽光(紫外線)をあてると、早く塩素が抜けるそうです。
というわけでさっそく、透明なカップに1Lの水道水を入れて、日光にさらしてみました。
この日は快晴ってわけじゃなく、晴れてるんだけど薄っすら雲がかかっているような天気。この微妙な晴天のもと、2時間半ほど太陽に晒してみます。
そして測ってみたところ、塩素はすっかり抜けてました!
いや〜、太陽光ってすごく効果的ですね。
微妙な晴天でも2時間半ほどで抜けたので、青空が広がる日なら2時間ぐらいで塩素が抜けるんじゃないかと。
というわけで、放置したり太陽光に晒すことで、塩素が抜けるのを確認できました。
次は、水道水を沸騰させて塩素を抜く方法。
水道水の塩素除去は沸騰が一番?
水道水を沸騰させることで塩素を抜く方法は、よく水道局なんかでもオススメされてます。
それぐらい確かな方法ということでですね。
ご家庭でよく使われている、電気ケトルでの煮沸で試してみます。
電気ケトルで煮沸
電気ケトルで沸かした水道水を、ちょっと冷ましてから測ってみました。
すると、やっぱり塩素は抜けましたね!
当たり前なんだけど、なんだか嬉しいです。
ちなみに電気ケトルって沸騰した後も、しばらくボコボコしますよね。
実はあれって、塩素だけでなくトリハロメタンを抜くのにも効果ありそう。きっとそのへんも考えて作られてるんですね。と、良い方に考えておきます。。
トリハロメタンについては、以下の記事で詳しく触れてます。
次に、電気ポッドでの煮沸も試してみます。
電気ポッドで煮沸
うちで使っている電気ポッドは、象印の一番安いモデル。
それで沸かした水道水を冷まして計測してみると。
期待どおり塩素は抜けていました!
というわけで普通の電気ポットで水道水を沸かししても、塩素はしっかり抜けます。
恐らくヤカンや鍋で沸かしても、きっと塩素は抜けるんだと思います。
次は、レモンで塩素を除去する方法について。
水道水の塩素除去はレモンが早い
水道水の塩素除去にはレモン汁が有効と聞きましたので、早速試してみます。
100mlの水に、果汁100%のレモン汁を5滴ほど垂らします。小さじでいったら、だいたい1/5ぐらい。
これを残留塩素測定器で測ってみたところ・・・
たった5滴でも塩素は除去できてました。この様子だと、レモン汁はもっと少なくて良いのかもしれません。
ちなみに、このレモン水を飲んでみたところ、ほんのりレモンの味が。この程度でも十分効果があるということですね。
レモン水というのは、意味のある飲み物だったこと分かりました。
でもなぜレモンが効くのかというと、そればビタミンCが含まれているからです。
水道水の塩素除去にはビタミンC
塩素にはビタミンC(アスコルビン酸)が有効。
ビタミンC(アスコルビン酸)と塩素が反応して、塩素が別のものに変わるらしい。
つまりビタミンCさえ含まれていれば、他の食べ物でも塩素除去が期待できるということ。
実際、塩素除去のための製品には、ビタミンCを使ったものがたくさんあります。
というわけで次は、ビタミンCが豊富なお茶でのテスト。
水道水の塩素はお茶でも抜ける?
水道水の塩素は、お茶でも除去できるのか試してみました。
使用したのは抹茶。たまたま煎茶がありませんでした。
100mlの水に、抹茶をだいたい小さじ1/5ぐらい溶かします。
そして測ってみると、やっぱり塩素は抜けてました。
抹茶なので薄緑色が付いていて、ちょっと分かり難いですが、塩素が反応したときのピンク色がまったく出ていません。
ちなみに、残留塩素測定器を汚したくなかったので、このときだけはビーカーで試しました。
お茶でも大丈夫だったので、きっとローズヒップなどでも塩素除去ができると思います。
次は、浄水器の効果について。
水道水の塩素除去は浄水器が便利
浄水器で本当に水道水の塩素が抜けるのか試してみました。
ある意味、抜けてなかったら問題ですけどね。(笑)
浄水器といっても、うちで使っているのは安くてシンプルなやつ。これで塩素抜けるのかちょっと不安もありました。
試してみたところ、本当にしっかり抜けてます!
塩素以外の有害物質も取り除いてくれるところがナイス。塩素を取り除きたい人は、とりあえず付けてみると良いんじゃないかと。
スイッチで切り替えると、シャワーが使えるのも便利です。
あとがき
田舎に住んでいると水道水の塩素ってあまり意識しませんが、都市部に行くと水道水はやっぱりカルキ臭いですね。
水道水に含まれる塩素って、いろいろな工夫で抜くことができましたが。
飲料水として使うなら、やっぱり沸騰させるのが安心です。塩素とトリハロメタンを同時に除去できますので。
個人的な感覚ですが、身体を洗うときも塩素の強い水って肌がガサガサになるので好きじゃありません。
お風呂の塩素対策は、以下の記事にまとめてます。
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