田舎から上京すると、「東京の水道水って飲めるの?」って思います。
地元ではふつうに水道水を飲んでたけど。
東京では水を買っている人も多いみたいだし、なんか危ないって聞いた気も・・・。
東京の水道水はそのまま飲めるのか、沸騰すれば安全なのか、どうすれば美味しく飲めるのかについて書いてます。
東京の水道水はそのまま飲めるのか?
そもそもですが、東京の水道水って安全なのでしょうか?
東京の水道水はかなり安全
東京の水道水って、実は世界に誇れるほど安全なんですね。
これは高度浄水処理という、最新技術が使われているからだそうで。
これによって、今まで取り切れなかった有害物質を、完全に除去したり減らしたりできるようになりました。
また、東京都の水質検査は200項目もあるそうです。ふつうは51項目なので、安全面にかなり気を使っているのが分かりますね。
塩素の量もおいしい水を目指すため、残留塩素が0.1〜0.4mg/Lになるよう調整されてます。
そして水道水に含まれる有害物質、トリハロメタンも減らせるようになりました。
水道水にはトリハロメタンが含まれる
アメリカの環境保護庁により、発ガン性や流産などの影響が懸念され、世界的に問題となったトリハロメタン。
トリハロメタンは、水道水に塩素を入れることで発生します。
東京の水道に含まれるトリハロメタンは、平成30年の検査では0.084〜0.048mg/L(参考文献1より)。これは日本や世界の安全基準である0.1mg/L以下です。
だから問題ないかなって思ってます。
しかし水道水に問題がなくても、設備に問題がある場合が。
設備によってはリスクがある
浄水場は最高の設備でも、その途中の水道管に問題があったりします。
東京都では、未だに鉛製の水道管が使われている場所があるそうです。そこから鉛が溶け出して、水道を汚染しているかも。
また、耐用年数が過ぎた水道管も存在し、赤錆が水道に溶け込んでいることが考えられます。
さらにマンションだと、水道水を溜める貯水槽内が錆びていたり、藻が繁殖していることも。
ただ貯水槽の問題については、新しいマンションなら問題ありません。
東京の新しいマンションでは「直結給水方式」といわれる、貯水槽を通さない水道の仕組みを採用するようになりました。
というわけで設備のことを考えると、水道水そのままというのは、やや不安が残ります。
東京の水道水は沸騰させて飲むのが安全?
水道水は沸騰させて飲むと安全、って話をよく聞きますよね。
実際どうなんでしょう?
水道水は沸騰すると塩素が飛ぶ
水道水は沸騰すると、ほとんどの塩素が揮発します。
それも数分沸かすだけで、十分揮発するみたい。
すると塩素が減って安全になるし、カルキ臭も消えて飲みやすくなります。
ちなみに沸騰した蒸気にはたっぷり塩素が含まれているので、なるべく吸わない方がいいのかなと。
あと水道水を沸かすときは、トリハロメタンの増加に注意です。
水道水を中途半端に沸騰させるとトリハロメタンが増える
水道水を沸騰させると、一時的にトリハロメタンが増えます。
これは、水に含まれる有機物と塩素の反応が進むからだそうで。
でもしっかりと沸騰させれば、トリハロメタンは揮発します。なので沸騰させる場合は、数分はボコボコしたほうがいいみたい。
何分沸かせば良いのかは、水の状態によって違うようなのでなんとも。
大阪の高度浄水処理をした水は、1分の煮沸でもトリハロメタンが消えたそうですよ(参考文献3より)。
最後に東京の水道水を美味しく飲む方法について。
東京の水道水を美味しく飲む方法
東京に限らずなんですが、水道水は塩素(カルキ臭)を抜くと美味しくなりますね。
そのためには、沸騰させるのもアリです。
でもそれ以外にも方法があるので、ここで紹介しておきます。
水道水を汲み置きして放置する
実は水道水は汲み置きしておくだけで、塩素が揮発していきます。
これは金魚の水を作るときにも使われている方法。
特に日光があたる日向におくと、紫外線によって塩素の揮発が早まります。
数時間〜半日程度でもかなり抜けるみたいなので、一番お手軽にできる方法かなと。
今すぐに水道水を使いたい場合は、この方法は使えませんね。
水道水にビタミンCを入れる
水道水に含まれる塩素を、今すぐ飛ばしたい場合は、ビタミンCが便利。
ビタミンC(アスコルビン酸)は塩素と結合して、塩素を分解します。
もっと身近なものでいったら、レモン水が便利。コップ一杯程度の水道水なら、レモン汁を数滴たらすだけで十分みたい。
その他にもお茶やローズヒップなど、ビタミンCを豊富に含んでいるものは効果があります。
水道水を冷やす
水道水は冷やすと、匂いも減って飲みやすくなります。
また冷やしている間にも、自然と塩素が揮発すると思います。
冷やすときは、蓋をしない方がいいかもしれません。
あとがき
東京の水道水は、「東京水」としてペットボトルで販売されているぐらい安全。
でもさらに安全を求めるならば、いろいろな方法で塩素を抜くことができます。
どんな方法がベストなのか、「残留塩素測定器」を使って塩素の抜け具合を調べました。
詳しくは以下の記事を読んでみてください。
ただ田舎出身の私としては。どうしても東京の水道は我慢なりませんでした。
そこで、なんとか美味しい水にならないかと、いろいろ工夫してみたのが以下の記事です。
<参考文献>
1. 東京都健康安全研究センター:水道水質検査精度管理講評会
2. 水道技術研究センター:日本と先進国の水道水質基準等一覧表
3. 煮沸による高度浄水処理水のトリハロメタンおよび全有機ハロゲン (TOX) 濃度の変化
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