雛人形のお下がりって、ダメなんでしょうか?
立派なものだから、代々のものだから。
さまざまな理由で、雛人形を母から娘へ継がせたい場合があります。
その辺りのことと、もし断りたい場合について書いてます。
雛人形のお下がりはダメ?
雛人形のお下がりはダメ。
という意見をよく聞きますね。
その理由としてよく挙げられるのが、「雛人形は厄除けの身代わりだから」ってやつ。
雛人形は厄除けの身代わり?
この意見のもとになるのは、だいたい次のような話です。
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雛祭りの日は、もともと厄を祓う日でした。人型の紙に厄を移して、海に流して祓っていたそうです。
これは、源氏物語にも載っているお話。
そして、それが発展して流し雛となり、それを飾るようになったのが雛人形。
だから、雛人形は厄除けの身代わり。1人につき1つの雛人形のセットが必要なんですよというもの。
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で、これが真実かというと微妙なところです。
というのも雛人形の起源については、諸説あるんです。
雛人形の起源には諸説ある
ひな祭りの日は、もともと上巳の日といって、古代中国から伝わったものでした。
厄除けの禊を、海や川で行っていたそうです。
それが日本に伝わり、源氏物語では、上巳の日に陰陽師とともに形代を海に流すシーンとして登場します。
ここまでは、ちゃんとした資料があって、あまり異論のないところ。
その後、雛人形が登場して定着するまでがハッキリしないので、意見が別れます。
流し雛が起源という説もあるんですが、これを強く否定する説も。流し雛は淡路信仰によるもので、雛人形とは名前似ているだけとか。
また、雛人形は貴族の幼女たちの「ひいな遊び」という人形ごっこだったという説。
あるいは、宇治人形、弥八人形、市松人形の様に、雛人形という単に人形の呼び名だったという説。
厄除けや身代わりの人形は「あまがつ」や「ほうこ」であって、雛人形ではないという説などがあります。
というわけで、雛人形が身代わりかどうかは、ハッキリしないんです。
ですから、雛人形のお下がりがダメかどうかは、どの説を信じるか次第。つまり自分次第です。
次は、雛人形を親子代々継いでいるケースがあるので、紹介しておきます。
雛人形を親子代々継いでるケース
今でも雛人形を代々継いでいる家ってのは、わりとあるみたいです。
とくに由緒ある旧家に多いらしい。
なかには、江戸時代から伝わる雛人形があるというお宅も。
400年以上の歴史がある雛人形が存在してるなんて、素晴らしいですね。
ここでちょっと疑問に思うのが、もし雛人形が昔から厄除けの身代わりであったのなら、受け継がれてこなかったんじゃ?
って逆説的に思うわけですよ。
あるいは400年分の厄を持っているのか。(笑)
でも、華族や藩主など立派な旧家でも受け継がれているので、厄除けとか身代わりっていうんじゃない気がするんですよね。
いずれにしろ、すでに雛人形を代々受け継いでる家がたくさんあるので、厄災があるなどと言うことは、ないのではと思います。
それでも、どうしてもお下がりが嫌な場合は・・・。
雛人形のお下がりの断り方
お下がりが嫌な場合は、なんとか断るしかないですね。
よくある、断り方についてまとめました。
義実家からの雛人形を断るケース
「嫁の実家が雛人形を用意する風習がありまして」
「嫁の実家の方で、すでに準備していまして」
こういった断り方をする人が多いみたいです。
姑との関係によっては、旦那さんに言ってもらったほうが良さそうですね。
自分の実家からの雛人形を断るケース
「旦那と相談して、自分たちで新しいものを買うことにした」
まぁ自分の実家ですので、あえて説明もいらないかもしれませんけどね。
あとがき
雛人形のお下がりがダメってことは、ないのかなーと。
雛人形は厄除けの身代わりという説もありますが、諸説ありますので。
また、実際に雛人形を400年以上継いでいるお家もあります。
そういった例も考えると、どちらかというと、身代わりではなく見守りじゃないの?って気がしてくるわけです。
というわけで、一番納得できる方法でOKだと思いました。
<参考文献>
雛祭り文化普及協會「雛祭り起源考」
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