喪中のときは初詣に行ってはいけないと聞きますね。
でも実は、神社=一定期間だけダメ、お寺=いつでもOKだったりします。
そのあたりの事情と、神社に行けない場合にお守りや御札などをどうすれば良いのか書いてます。
まずは喪中の初詣に神社へ行くのは、本当にダメなのかを見ていきます。
喪中の初詣に神社へ行くのはダメ?
実は“喪中”ではなく、“忌中”に神社へ行くのがダメなんですね。
“忌中”というのは“喪中”の期間に含まれている、短い期間のこと。例えば喪中が一年間だったら、最初の数日〜数十日は“忌中”だったりします。
そしてこの“忌中”という期間に神社へ行くのが、神道では禁忌とされています。
“喪中”と“忌中”についてもう少し知りたい場合は、以下の記事に詳しく書いてます。
→喪中と忌中の違いとは?それぞれの期間や、してはいけないこと
忌中の初詣に神社へ行くのがダメな理由
神道において、“忌中”とは身内の死によって穢れを負った期間。
神道では清浄であることを大切にするので、穢れ=不浄であることを忌み嫌います。
“忌中”は亡くなった方との続柄によって日数が違い、最も身近な親族である実父母の場合で50日間。祖父母は30日など、血縁が遠くなるほど“忌中”も短くなります。
《続柄による忌中の違い》
※明治七年の太政官布告武家制服令を参考にしています。
続柄 | 忌中期間 |
---|---|
父母 | 50日 |
父方の祖父母 | 30日 |
母方の祖父母 | 20日 |
夫 | 30日 |
妻 | 20日 |
嫡子 | 20日 |
兄弟姉妹 | 20日 |
伯叔父母 | 20日 |
嫡孫 | 10日 |
甥姪 | 3日 |
そしてこの“忌中”が終わると忌明けとなり、神社への参拝や慶事や祭事への参加が赦されます。
というわけで忌中が過ぎて忌明けしていれば、神社へ初詣に行っても何の問題もありません。
ちなみに穢れとは、“気枯れ”とも言われ、気が枯れた状態=活力を失った状態のことだとか。つまり人が死や出血などに関わると、活力や気力が失われて穢れた(気枯れた)状態となるわけです。
穢れはうつるものと考えられているので、穢れている人は慶事や祭事に出席してはいけないとなっているんですね。
「落ち込んでいる人と話すと、こっちも落ち込んでしまう」と似てる気がします。
というワケで、“喪中”ではなく“忌中”に神社に行くのがダメでした。
で、ここで気になるのが、神社じゃなくてお寺なら神道じゃないから初詣に行ってもいいの?ってことですよね。次はこれを見ていきます。
喪中の初詣にお寺はOK?
喪中にお寺へ初詣に行くことは、宗教的な問題もなくOKです。
そもそもお寺では亡くなった方のために、お葬式、初七日法要、四十九日法要などを執り行いますから。このことからも分かるように、仏教は死に対して”穢れ”という意識を持っていません。
ただし有名な寺院ともなると、初詣の参拝客で賑わい屋台も多く出て、すっかりお祭りムードになっていることがあります。
前述のとおり、“忌中”であれば祭事を避けるべきだし、“喪中”ならばお祭りなどの賑やかなものは避けるべき。
そのあたりを考えると、有名寺院への参拝は微妙かもしれませんね。
あくまでも個人で判断することですが、“喪中”とは自発的に喪に服して、慶事や祭事などを避けたい気持ちでいる期間のこと。
そういったことを踏まえると、亡くなった方がお墓に入る予定の菩提寺に、墓参りついでに初詣に行くというのが良いのではないでしょうか。
お寺の初詣で何を願う?
ところでお寺に初詣に行くとして、何か願い事をしつつ参拝していいのでしょうか。
お寺での参拝とは、そのお寺の御本尊さまへ敬意を示すこと。実は願掛けする場ではないんですね。
仏教では三毒とよばれる3つの根本的な煩悩、貪(むさぼり)・瞋(怒り)・癡(おろかさ)は克服すべきものと諭しています。
そんな仏様の前で、我欲にまみれた願いを伝えてしまうと、むしろ罰当たりかもしれません。お願い事をするにしても、家族の健康とか安息が良いのかなと思います。
ちなみにお賽銭とは日頃の感謝を込めてお供えをするもの。願掛けの手数料ではないので、大金を投げ込んでも願いが叶うわけではありません。
お寺に行ってご利益が欲しい場合は、ご利益が明示されている、お守りや御札などのアイテムを買いましょう。
次は喪中で神社へ初詣に行けない場合、お守りや御札はどうすれば良いのかを見ていきます。
喪中で初詣に行けない場合、お守りや御札はどうする?
神社で買ったお守りや御札は、お焚き上げしてもらうのが一般的ですね。
大晦日や年始にお焚き上げをしている神社が多いので、正月に持っていかなければという気がします。
でも実はどこの神社でも、年中お守りや御札の納めを受け付けています。だから忌明けした後に神社へお守りや御札を持って行けばOK。
お守りや御札を納める場所は、専用の納所が設けられてます。なければ社務所で聞いてください。
納所に賽銭箱があればそこに、なければ社務所で納めるお守りや御札と同額程度のお焚き上げ料を添えます。
また、地方によっては小正月(1月15日)の行事で、左義長やどんと焼きが行われます。神様に納めるものを持ち寄って燃やす行事ですので、このときお守りや御札を持っていってもOK。
その他に、郵送でお守りや御札を受け付けてくれる神社もありますよ。どうしても近くにお炊き上げしてくれる神社がない場合は、これも手ですね。
次は新しいお守りや御札はどうやって買えばよいのかを見ていきましょう。
新年度のお守りや御札が欲しい
喪中のため神社の境内に足を踏み入れることができない人は、どうやって新年度のお守りや御札を手に入れれば良いのでしょうか。
お寺でも手に入れることも出来ますが、お寺で頂いた御札を神棚に祀るわけにはいきません。(^_^;)
実はある程度の規模がある神社では、お守りや御札は年中売っています。ですので忌明けに買いに行くのが、最もスマートなやり方です。
でも、小さい神社は、お守りや御札をお正月の間しかおいてなかったり、そもそもお正月しか開いてなかったりしますね。
その場合は、地元の大きめな神社に行きましょう。
毎年買っている御札との違いを気にするのでしたら、同じ系統の神社に行くと似たような御札が手に入ると思います。神社は、祀る神によって系統がありますから。
それ以外では郵送でお守りや御札を送って貰う方法があります。これはわりと有名な神社しかやっていないようですが、WEBから簡単に申込みできますよ。
あとは誰かに頼んで買ってきて貰うという手もありますね。
ただ、神社としては自分の手で直接買う方法を推奨してます。というのも誰かの手を通すと、神社からの繋がりが切れてしまうのだそうで。
あとがき
神社に初詣に行くのがダメなのは、喪中ではなく忌中の期間でした。
私の場合はすでに忌中を過ぎていたので、気にせず神社にお参りにいきましたよ。
このあたり、忌中の範囲や期間が分かってないと、判断できないことですね。
喪中や忌中の範囲や期間は、以下の記事に詳しく書いてますよ。
→喪中の範囲は親族のどこまで?喪に服す期間や年賀状は出せるのかも分かる
良い初詣と新年を迎えられますように♪
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