喪中はがきの書き方について、詳しく解説してます。
基本的な書き方を説明しつつ、差出人を連名にする場合の続柄や、年齢の数え方、表書きはどうするかなど、誰もが迷いそうな部分について書いてます。
また、最後に文例も載せてます。
喪中はがきの書き方
喪中はがきの書き方を、順に見ていきましょう。
喪中はがきの挨拶文
喪中につき新年のご挨拶を控えさせていただきます
喪中はがきの挨拶文では、新年の挨拶を欠礼することを伝えます。
挨拶文では、賀詞(例えば、年賀、謹賀など)を使わないように注意しましょう。
賀詞には祝う意味が含まれているので、喪中はがきに相応しくありません。
代わりに、差し支えない「年頭」「年始」「新年」などを使います。
喪中はがきの本文
本年九月 祖母 関心無子が八十二歳で永眠いたしました
本文では、いつ誰が何歳で亡くなったのかを明記します。
いつ誰が何歳で亡くなったのかについては、書かなくても良いとされていますが、受け取った側が知りたいと思うことがあるので、書いたほうが良いでしょう。
亡くなったことは、「永眠」や「他界」などの言葉を使って表現するのが一般的です。
もし同じ年に2人以上亡くなった場合は、故人を連名で書くこともできます。
Q:故人が2人いる場合、連名にしてもよいでしょうか?
A:連名でも差し支えないでしょう。その際は続柄、姓などが受け取った相手に伝わるよう
注意しましょう。出典:郵便局「喪中はがき」
本年十月 父 中央 太郎が八十歳
本年九月 義母 足立 花子が七十九歳
が永眠いたしました。
喪中はがきの結びの挨拶文
ここに本年中に賜りましたご厚情に深謝いたしますと共に
明年もかわらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
結びの挨拶として、今までのお付き合いに対するお礼や、今後のお付き合いのお願いなどを書きます。
その後に「向寒の折からいっそうのご自愛のほどお祈りいたします」など、相手への気遣いを入れると、さらに丁寧になります。
喪中はがきの年齢の書き方
故人の年齢を書くときは、「数え年」を使うのが本来のマナーだそうです。
ですが最近では、「満年齢」で記載する人も多いのだとか。
それはそうですよね。
特に意識せずに喪中はがきを読めば、ふつうは「満年齢」での年齢だと思いますから。
Q:故人の年齢は満年齢・数え年のどちらで記載すればよいでしょうか?
A:一般的には数え年で記載しますが、満年齢で記載する場合も増えています。出典:郵便局「喪中はがき」
「数え年」は昔の中国の数え方で、日本も昔はそれに習っていました。
ところが今では、中国でも日本でも「満年齢」を使っていて、こちらが世界標準です。
というわけで「満年齢」で良いと思います。
年齢は漢数字(一、二、三とか)で書きます。
喪中はがきの続柄の書き方
喪中はがきの続柄は、差出人から見た続柄を書きます。
また、差出人を夫婦連名で書くときは、筆頭人(たいていは夫)から見た続柄を書きます。筆頭人は右側。
Q:妻の親が亡くなり夫婦連名で喪中はがきを出す場合、続柄はどうすればよいでしょうか?
A:差出人の代表である夫から見た続柄を入れましょう。出典:郵便局「喪中はがき」
続柄について分かりやすいように、夫から見た続柄を表にまとめました。
《夫から見た続柄》
親等数 | 続柄 | 表記例 |
---|---|---|
0親等 | 妻 | 妻、家内 |
1親等 | 子 | 息子、娘、長男、次男、長女、次女… |
父 | 父、実父、養父 | |
母 | 母、実母、養母 | |
妻の父 | 父、義父、岳父 | |
妻の母 | 母、義母、丈母 | |
2親等 | 孫 | 孫、孫息子、孫娘 |
兄弟姉妹 | 兄、弟、姉、妹 | |
妻の兄弟姉妹 | 兄、弟、姉、妹、義兄、義弟、義姉、義妹 | |
祖父母 | 祖父、祖母 | |
妻の祖父母 | 祖父、祖母、義祖父、義祖母 |
これ意外にも、例えば妻の父であれば、「妻の父○○」とか「(妻の名前)の父○○」などのように書いても問題ありません。
※「岳父」「丈母」は、夫から見た妻の父母に対してだけ使える尊称です。
喪中はがきの日付の書き方
喪中はがきの日付の書き方は、2通りあります。
1つは喪中はがきを書き上げた年月。もう1つは必ず十二月と書くやり方。いずれも日にちは不要で、年月まででOKです。
これは、マナー本によって書いていることが違ったので、好きな方で構わないと思います。
後者の方は恐らく、喪中はがきが12月に届く前提で、そうなっているんだと思います。
年は西暦ではなく和暦を使って、やはり漢数字で書きます。
《例》
平成三十年十二月
喪中はがきの差出人の書き方
喪中はがきに、差出人と差出人住所、郵便番号を書いていきます。
電話番号は、必須ではありません。
また、差出人を連名で書く場合は、筆頭者が一番右に来るように書きます。
そして、筆頭者だけフルネームでかいて、それ以外の家族は名字を書かないようにします。
《例》
山田 太郎
花子
もし、差出人に子供の名前も連名で入れるべきか迷っている場合は、以下の記事が参考になると思います。
喪中はがきの表書き(宛名)
喪中はがきの表書きには、宛名を書いていきます。
この書き方は、普通のはがきと同じ、相手の住所と氏名を書きます。
ただし普通と違うのが差出人の部分。差出人は表に書かなくても問題ありません。既に裏側に書いてますので。
喪中はがきでは句読点を使わない?
儀礼などの改まった文章では、「。」「、」など句読点を使わないのがマナーです。
例えば賞状なども、よく見ると句読点がありません。
句読点はもともと子供が勉強するときに使われたもので、昔の大人の文章では使われませんでした。
それが明治時代になって西洋文化が入り、句読点も使われるようなっていったのです。
ですので改まった文章では、昔からの日本の慣習として句読点は使いません。
しかし最近では伝わりやすさを重視して、句読点を使う人が増えてきているそうです。
それもなんだか寂しいですね。
喪中はがきは薄墨で書くべき?
弔事などの不祝儀袋の表書きは、薄墨で書くのがマナーです。
これも昔からあるマナーで、涙で墨が薄まってしまったことを意味してるんだとか。
ですが喪中はがきの場合は、葬儀から日数も経っていますし、薄墨でなくても構わないという意見も見受けられます。
喪中はがきの受け取り側もそこまで気にしてないと思いますが、ベストを尽くすなら薄墨で書くのもありですね。
実は薄墨筆ペンというものが、200円程度で売られてますよ。意外と需要あるのかもしれませんね。(汗)
次は喪中はがきの文例について。
喪中はがきの文例
喪中はがきの文例をいくつか紹介します。
喪中につき新年のご挨拶を控えさせていただきます
本年●月 祖母 ○○が▲歳で永眠いたしました
ここに本年中に賜りましたご厚情に深謝いたしますと共に
明年もかわらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
本年●月に義母○○○が▲歳にて永眠いたしました
生前賜りましたご厚情に深謝いたしますと共に
明年もかわらぬご厚誼を賜りますよう謹んでお願い申し上げます
向寒の折からいっそうのご自愛のほどお祈りいたします
喪中につき年頭のご挨拶を差し控えさせていただきます
本年も残すところあと僅かとなりました
皆様にお変わりなくお過ごしのことと存じます
本年●月 父○○が▲歳で他界いたしました
平素のご芳情に厚くお礼申し上げますとともに
明年もかわらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
皆様にはどうぞよいお年をお迎えくださいますよう
お祈り申し上げます
喪中につき年始のご挨拶を控えさせていただきます
●月 祖父○○が▲歳で他界いたしました
生前賜りましたご厚情に感謝いたしますとともに
明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
なお時節がらご自愛のうえよき新年をお迎えくださりますよう
心からお祈り申し上げます
喪中につき年頭のご挨拶を失礼させて頂きます
本年も残すところあと僅かとなりました
皆様におかれましてはお健やかにお過ごしのことと存じます
去る●月 義母○○が▲歳にて永眠いたしました
本年中に賜りましたご芳情に感謝いたしますとともに
明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
皆様がよい年を迎えられますよう心より祈念しております
あとがき
実は喪中はがきの風習って、わりと最近の風習なんです。
明治の頃に皇室の大喪がキッカケで始まり、一般に広まったのは昭和30年代。
だから大して歴史もないし、そんなに重要なものでも無い気がします。
喪中はがきは、喪中のために年賀を欠礼することを伝える挨拶状。
あまり細かいところに捕らわれず、大切な部分だけ押さえておけば、良いのではと思います。
喪中はがきを、いつまでに出せば良いかについては、以下の記事に書いてます。
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